不妊症について  産婦人科部長 吉松宣弘


産婦人科部長
吉松宣弘

●プロフィール・健康法●

昭和33年4月25日生まれ。
福島県立医科大学卒業、同大学院終了。医学博士。
新白河中央病院産婦人科部長、福島医大講師、
社会保険福島二本松病院産婦人科部長、
平成12年10月より現職。
「父は内科の開業医でした。釣り好きのごつい指でしたが、患者さんに触れる時にはものすごく繊細で暖かな柔らかい指に変わりました。その指を超える事を一つの目標にしています。」
 
趣味は鉄道、歌舞伎鑑賞。上野駅、東京駅、歌舞伎座などに時々出没しています。
 健康法は、ストレスなく笑顔を絶やさず、がんばって仕事をすることです。

Q.不妊症とは?
厳密な定義では、生殖可能な年齢にある男女が正常な性生活を行っても、避妊期間を除いて3年以上経過しても妊娠しない場合を不妊症、と呼び、妊娠成立をみるが、流早産により生児を得られない場合を不育症と呼んでいます。通常健康な夫婦であれば、1年で80%、2年で90%が妊娠しますので、1年経過しただけで不妊症と決めつけるには早すぎますが、丸2年経過しても妊娠しなければ、産婦人科の受診をお勧めします。
Q.原因は?
不妊症の原因をあれこれと考える前に、妊娠の成立過程を知って頂く事が大切です。図示しました通り、妊娠の成立には
  1. 卵巣から卵子が排卵される。
  2. 卵子は卵管に吸い込まれる。
  3. 膣内に射精された精子が、子宮を通って卵管に到達し卵子と受精する。
  4. 受精卵は卵管の中でゆっくりと成長しながら移動して、子宮の内膜に着床する。
以上の様な複雑な過程が存在しています。簡単にまとめてみますと、
  • 排卵因子
  • 卵管因子
  • 男性因子
  • 子宮因子
  以上の4大因子が必要でどこかに問題があっても不妊症の原因になります。不妊症の検査、治療はそれぞれの因子の異常の確認とその是正にありますが、個人個人により様々な原因が絡んできますので実際にはより複雑な状況を考慮しなくてはなりません。
Q.とりあえずどうすればよいか?
余裕のある方は2ヵ月くらい基礎体温を計測してグラフにつけて産婦人科を受診していただいたらよろしいかと思います。検査法、治療法は紙面では書ききれない程多岐にわたってしまいますので、この場ではあえてお話ししません。カウンセリングのみで妊娠するケースもあります。また中には現代の最先端の不妊治療が必要な場合もありますが、原因や検査、治療は個人個人千差万別です。あれこれ悩む前にどうぞ産婦人科を受診されて下さい。
《現在不妊症で悩んでおられる方へ》
本日まで多くの不妊に悩む方に出会い、そこから得た、ちょっとしたアドバイスを述べたいと思います。
  1. まずご自分の体には絶対の自信を持って下さい。自分はダメだとか、マイナスイメージは捨てて下さい。プラス思考がないと治療する側も意欲が無くなりますし、治療効果もきっとマイナスになってしまいます。
  2. 是非とも自分とフィーリングの合う医療機関、医療者を見つけて下さい。外見や名声だけで選ぶのではなく、ここはというグッドフィーリングな相手を見つけて下さい。
  3. ご夫婦の在り方をもう一度見直してみて下さい。ご主意識の中心を赤ちゃんではなく、女性の場合はご主人、男性の場合は奥さんに向けてみてはいかがでしょうか。
  4. 妊娠というのは本当に未知の力が働く場だと思います。準備された時に赤ちゃんは来ると信じてみて下さい。
当院におきましても、ご相談をお受け致します。
参考にして頂けたら幸いに思っております。

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