変形性膝関節症について  整形外科医長 大熊和之


整形外科医長
大熊和之

●プロフィール・健康法●

昭和43年8月26日 生まれ
帝京大学医学部卒業後、帝京大学溝口病院、他関連病院で整形外科を研修。
平成12年4月 より現職。
血液型はO型、独身です。
健康法は、食事を腹8分目にすること。日々の生活の中で何か笑いのネタになる楽し いことを探すこと。

Q 立ち上がろうとしたり、歩くと膝に痛みを感じるのですが…?
このような訴えで外来を受診される患者様は非常に多く、ほとんどが60歳以上の方です。そしてたいていその病名は、変形性膝関節症です。
Q どのような病気ですか?
文字通り関節が変形し痛みを出すということですが、人間にはたくさんの関節があり、その中でも膝は荷重関節といって長年にわたって体重を支えている人体の中で最も大きな関節です。しかしそのような重労働をしている場所の割には、それを保護、支持しているのは周りの筋肉と靱帯といったものしかなく、それほど安定性がしっかりした構造ではないのです。
ですから年令とともに筋力がおとろえたり、長年の荷重がかかるとだんだんと骨、骨と骨の間にある軟骨に負担がかかり、すりへらしてしまい、痛みを出すようになります。
Q 治療方法は?
まずは、膝に負担をかけないような生活を心がけることです。
  • 体重をふやさないようにすること。
  • 重い物を持ち歩かないこと。
  • 正座を避け、イスの生活に切りかえてゆくこと。
  • 階段の昇り降りを避け、設置されている場所では、なるべくエレベーターやエスカレーターを利用し、家の階段に手すりをつけることをおすすめします。
  など基本的に気をつけていただき、病院では消炎鎮痛剤のお薬を処方したり、湿布をお出しします。関節が腫れて熱をもっている時は、温めないようにし、慢性期では冷やさないようにしなければなりません。
  また、壊れた軟骨を滑らかにし、痛みを軽減させるヒアルロン酸というお薬を定期的に直接膝に注入します。これは非常に有効で一般的な薬です。副作用を心配される方もいらっしゃいますが、医師がきちんと量と間隔をみながら注射していますので、問題はありません。このような治療と並行して、脚の筋力をつけるリハビリをおこなうと、より効果的です。
Q この病気は治るのですか?
この質問はよく耳にします。たしかにすり減って、壊れてしまった軟骨や骨がもと通りぐんぐんと若がえってくるということは、ありません。ですから「これ以上壊さないように」「痛みが出ないように」することが治療の目標です。たとえもと通りにはならなくても、痛みが出ないようにすることは、十分可能です。なかなか痛みがとれなくて、変形が強くて、人工の膝関節の置換手術を必要とする方もいますが、それほど多くありません。ですから、「もう年だから」と、あきらめないで根気づよく治療を続けていくことが大切です。なお外来に、この病気に関する注意事項や体操について書いてあるパンフレットがあります。御希望の方は差し上げますので、声をかけてみて下さい。

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