骨粗しょう症について 整形外科医長 渋谷 勲
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整形外科医長
渋谷勲 |
●プロフィール・健康法●
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本リウマチ学会認定医埼玉県出身。
昭和大学医学部卒。
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医、日本リウマチ学会認定医埼玉県出身。
帝京大学溝口病院、静岡県、神奈川県内の病院に勤務し平成14年4月より一心病院整形外科医長。
趣味は登山、特に沢登りとロッククライミング。
健康法は特にありませんが、週1回プールで泳ぐことと、体に良い物をおいしく食べることでしょうか。
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- Q 骨粗鬆症になると何がいけないのですか?
- A 実は骨粗鬆症自体は自覚症状がほとんどありません。問題はそのために骨折しやすくなるということです。お年寄りの骨折は、寝たきりの原因として脳血管障害に次いで多いものです。寝たきりになると肺炎などの感染症にかかりやすくなり、大変危険です。また、家族の負担も大きいことは言うまでもありません。
- Q カルシウムをたくさん食べていれば骨粗鬆症にならないのですか?
- A 確かにカルシウムの摂取は重要なことですが、それだけでは不十分です。他に重要なこととして運動と適度な日光浴があげられます。特に運動は重要で、食事指導よりも運動指導の方が効果的であるというデータもあります。運動は骨を強くするという点の他に、運動能力の低下を防ぐことで転倒を防ぐという効果があります。実はこれが大変重要なのです。転倒→骨折→寝たきり、という図式が骨粗鬆症の最悪のシナリオなのですから。
- Q 転びやすい人はどんな人ですか?
- A ウエスト、ヒップが大きいこと、歩幅が小さいこと、踏台昇降ができないこと、HDLコレステロール(善玉コレステロール)値が低いこと、中性脂肪値が高いこと、などが挙げられますが、特にパーキンソン病の方、睡眠薬、精神安定剤を服用していらっしゃる方は要注意です。
Q どのように運動すればよいかわからないのですが。
- A この質問は骨粗鬆症にかぎらず、変形性膝関節症、腰痛、糖尿病、高血圧の患者様からも聞かれる質問ですが骨粗鬆症の場合、重要なのは骨に重力による負荷をかけなければいけないということです。ですから寝たまま行う運動では不十分です。とは言っても、年齢、体力によりできることとできないことがあります。そういったことから「歩く」ということが、最も一般的で手軽ではないでしょうか。 転倒しにくい体であるためにもイラストのような点に注意した歩き方がおすすめです。 「転ばないように気をつけて歩こう」というと、つい足元を見ながら小刻みに歩きがちですが、実はこの歩き方はかえって転びやすい歩き方なのです。
- Q 食事ではどんなことに注意すれば良いのですか?
- A よく知られているように、カルシウムを多く摂取することです。最も多く含んでいるのは、骨ごと食べられる魚や海草類ですが、実はこれらの食品に含まれるカルシウムは、非常に吸収されにくいのです。 食べた物が多く吸収されるという点では牛乳、ヨーグルト、チーズといった乳製品が一番です。カルシウムが吸収されにくい栄養素であることはあまり知られていません。特にナトリウムやリンといったミネラルと同居するといっそう吸収が悪くなります。 ですから、塩気の多いインスタント食品といっしょに牛乳を飲んだ場合、実際にはカルシウムがあまり吸収されないことになります。アルコールも適量であれば骨粗鬆症の予防になるとのデータもありますが、過度な飲酒はカルシウムの吸収を悪くします。 また、カフェインの摂り過ぎも吸収を悪くする要因の一つです。
- Q 病院ではどんなことをしてくれるのですか?
- A まず御自身の骨密度を調べてもらいましょう。これは症状がなくてもおっしゃっていただければ簡単な検査で調べてもらうことができます。そして治療が必要な方にはお薬を処方します。タイプの違う薬がありますので、必要に応じて複数のお薬が処方される場合もあります。
最後に、骨粗鬆症はお年寄りだけの問題ではありません。「高い山から降りるのは時間がかかる」のと同じように、骨密度が最も高くなる20代、30代にどれだけ丈夫な骨を作っておくかということです。若い頃に乳製品を摂り、積極的に運動する習慣をつけておくことが重要です。

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