高血圧症  内科 松井英三郎

副院長・内科 阿部敏紀

内科
松井英三郎

●プロフィール・健康法●

昭和39年5月18日宮崎県生まれ。
筑波大学医学専門学群卒。
2年間の初期研修の後、宮崎大学医学部に移り、大学病院および近隣の関連施設で内科臨床経験を積む。
平成12年、宮崎大学大学院医学研究科博士課程卒。
研究テーマは血管作働性物質(特にアドレノメデュリンについて)。
平成18年4月より一心病院勤務。
専門は循環器内科。

健康法はジョギング。趣味は読書、映画鑑賞、つり。
「親父の口癖は『人のためになる人間になれ!』でした(父は今も元気にしています)。この度、縁あって一心病院で勤務させていただくことになりました。医療におけるモットーは『患者様お一人お一人の病の本質を見つめ、愛情をもって解決の手助けをする』です。気軽に声を掛けていただけたらありがたいです。」

 
Q高血圧って何?
「血圧」とは血液が動脈の壁を押す圧力のことで、心臓が収縮した時の血圧を最高血圧(収縮期血圧)といい、拡張した時の血圧を最低血圧(拡張期血圧)といいます。一般的に血圧は、年齢が上がるにつれて、徐々に高くなっていきます。これは、加齢とともに血液循環の効率が悪くなるため、血圧を高く維持しないと、全身に血液を巡らせることができなくなるからです。加齢や体質的要因に加えて、肥満、過食、運動不足といった生活習慣が加わると血圧がある一定のレベルを超えて高くなる「高血圧」が起こってきます。日本では50歳台で約半数、70歳代では約70%の人が高血圧だといわれています。2004年に改訂された日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では収縮期血圧130mmHg未満かつ拡張期血圧85mmHg未満を正常血圧としています。
Qどう怖いの?
 高血圧には、自覚症状がほとんどありません。しかし、放置しておくと、血管の壁が障害されて、動脈硬化が進行し、さまざまな心臓・血管系の病気を引き起こす危険率が高まります。高血圧はサイレントキラー(静かな殺し屋)と呼ばれることがあります。脳卒中や心筋梗塞などによる突然死につながることもあり、注意が必要です。
Q予防法・治療法は?
加齢や体質的要因は変えることができませんが、生活習慣は自分で改善することができます。お勧めなのが、酸素を体内に取り込みながら行う有酸素運動(ウオーキングなど)です。運動は血液の循環を良くするため、高い圧力(血圧)をかけなくても、全身に血液が行き渡るようになり、血圧が下がってくるのです。有酸素運動を1日30分以上、10週間行ったところ、平均で収縮期11mmHg、拡張期6mmHgの血圧低下が確認されました。毎日、運動の時間を取るのが難しい方も、一歩でも多く歩くという姿勢が良いと考えています。食生活の改善もたいへん重要です。「減塩」(「高血圧治療ガイドライン」では1日の食塩摂取量の目安はこれまでの「7g未満」から「6g未満」に改訂され、塩分制限の重要性がいっそう強調されています)、「食べすぎないこと」(過剰なエネルギー量を摂取すると肥満を招き、その結果、血圧が上昇します。腹八分目を心がけましょう!肥満の方は体重を5%落としましょう!)、「飲みすぎないこと」(適量は日本酒では1日に1合程度まで、ビールでは中びん1本位までです)、「野菜・果物を摂る」(カリウムが多く、血圧を上げるナトリウムの尿中排泄を促します)などです。生活習慣の改善だけでは十分な効果が得られない場合、薬物療法が必要になります(この場合も生活習慣の改善が車の両輪のように重要です)。降圧薬には作用の仕方によって「血管を広げる薬」と「血液量を減らす薬」があります。副作用が出ないよう、少量から開始し、しばしば2種類以上を併用します。併用することで降圧効果の増大や副作用の軽減が期待できます。降圧薬は原則的にはずっと内服し続けますが、生活習慣が十分に改善された場合、減量・中止できることもあります。ただし、注意すべきは自己判断で勝手に中止しないことです。中止によって急に血圧が上がり、くも膜下出血を引き起こした患者様を知っています。主治医に相談しましょう。
生活習慣の修正ポイント
1) 食塩制限。
2) 野菜・果物の積極的摂取:ただし、重い腎障害を伴う方は高カリウム血症をきたす可能性があるので奨められない。また、果物の積極的摂取は摂取 カロリーの増加につながることがあるので、糖尿病患者では奨められない。
3) 適正体重の維持:BMI(body mass index; 体重/身長の二乗<25
4) 運動療法:心血管病のない方が対象。早歩き、ジョギングなどの有酸素運動を定期的に行う(1日置きでも良い)。
5) アルコール制限:日本酒であれば1日1合以内程度。
6) 禁煙:喫煙は虚血性心疾患や脳卒中の強力な危険因子。

 


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