「更年期を斬る、最前線」    産婦人科  吉松 宣弘

吉松 宣弘

産婦人科医長
吉松 宣弘

<<プロフィール・健康法>>

年齢:更年期年齢
福島県立医科大学卒業、
平成12年から当院産婦人科医長


<健康法>
おいしく食べること、しかし段々増える体重には、妊婦さんに食べ過ぎないようにとも言えず、かえってストレスになっている。楽しく、笑っていることですね。

追 伸:本文の内容は2004年10月に広島で行われた更年期学会のトピックです。
広島の牡蠣、宮島のアナゴ飯は美味しかったです。

  更年期とは
Q 更年期とは?
よく知られている言葉ですが、漠然としていますね。
  婦人科の中では、閉経前、閉経期、閉経後、老年期と細かに分類し、閉経前から老年期にいたる過程を更年期と呼んでいます。この時期には女性ホルモンの減少という現象により、肩こり、冷えのぼせ、イライラ感、骨粗鬆症、膣炎、動脈硬化など様々な症状が程度の差こそあれ出現してきます。日常生活に困るような症状が認められる場合を更年期障害と呼んでいます。
Q 治療はどうするのですか?
不足したホルモンを補ってあげるHRT(ホルモン補充療法)が即効的で、一時期大ブームになりました。確かにホルモン不足によって起こる症状には劇的な効果があります。しかし、どうも全ての症状に効果があるのかどうか疑問視する向きもあります。
Q どういうことでしょうか?
つまり、更年期障害はホルモンだけの問題ではなく、図に示したように、身体的、家族的、社会的、心理的変化が複雑に絡み合って出現する症候と考えられるようになりました。
  女性の場合は、そこにホルモン的な変化が加重されるので、症状としては目立って現れますが、男性にも当然出現しても不思議でないことになります。
Q では、どうしたらいいのですか??
まず年齢的に生活習慣病の発生が高いので、その管理をきちんとする必要があります。定期的な健診、適度な運動、適正な食事は一般論で当然として、自分で自分を振り返って、人生のセカンドステージのスタートラインに立たなくてはなりません。心理学的に表現すると、自分の半生への問い直し(再吟味)、将来への再方向付け、生き方、価値観の軌道修正を行って、自己の再確立を行うことで安定感、肯定感を持つ、人間発達に欠かせない通過点とのことです。つまり、この時期に自分の人生がしっかり整理されないと、喪失感、不安感、絶望感、悲壮感などのマイナスイメージのステージになってしまうのだそうです。
  私の人生を自分で主体的に組みなおすことがポイントとなるそうです。
Q もう少しわかりやすく言っていただけますか?
つまり更年期だから、もう女は終わりだ、人生終わったなどと考えずに、別な明るい舞台が始まるんだ。今までを総清算し、土台にして、よし次に行くぞという積極的な考え方をしましょうということです。
  「更年期で婦人科に行くと、必ずお医者さんが申し訳なさそうに、○○さん、どうも更年期のようですと伏目がちに言うので、医者自体が更年期に対してネガティブな考え方をしている証拠だ。」とある有名な作家が語っておられました。なるほどと私も反省しています。その作家は、閉経になった時、さあ、これで心置きなく白い服で颯爽と街が歩けると嬉しく感じたそうです。それは極端な表現としても前向きに考えようということでしょう。もちろんつらい症状はホルモン補充などを行いながら、その上で考えることも必要です。
Q 考え方を変えるということですね。
要は更年期は、光年期であり、幸年期だということですよ。すばらしい時の贈り物なのだという気持ちを持って…ということかなと思います。 **当院産婦人科受付前に「更年期を知ろう」という拙書が貼ってありますので、参考になさってください。

最後に子供にとって最大の癒しは母親です。そして最大のストレスも母親です。それほど子供にとって母親の存在は大きいのです。親自身が上手にストレス解消しながら、子供のいる今の人生を楽しんでほしいですね。

更年期図2


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